文月13日曇り におい
涙のにおいは、幼いころの記憶を引っ張り出す。声にも言葉にもならない思いが喉の所でぎゅっとなる。
泡が弾けて消えていくみたいな、エアロみたいな感覚。
流しに溜まっているものはなに?
目に見えているものじゃなくて、根っこのとこだよ。そこが詰まっているんだ。そこを着手できたら、流したいと思っているものも自然と流れるよ。
流し台に溜まった食器を洗って、部屋に戻ると晩ご飯の食器が残っていて、水耕栽培の水が臭っていた記憶と重なって、ふとそんなことを思った。
根っこにあるもの。それはあれしか無いかな。
逃げていちゃダメだ。